2014年7月5日土曜日

【高校生アフリカ貧困会議6月1日】アフリカの貧困と医療、そして支援の在り方

6月1日(日) 福島から新幹線で東京へ向かいました。




青山一丁目駅と外苑前駅の間ほどにあるアスカワスタジオへ来るのは3週間ぶりのことでした。

前回は、高校生アフリカ貧困会議のプレイベントで登壇をさせていただき、自分の目で見てきたアフリカのことについて話をさせていただきました。
有難いことに、この日の本イベントにも有識者として招待していただいたのです。
僕の任務は、高校生100人を分けたグループの1つに入り、高校生と一緒にディスカッションすることです。

会場へ着くと、午前の部がまだ終わっておらず、池上彰さんの話を聞くことができました。







池上さんは中東情勢にも熱心で、シリア問題を伝えるジャーナリストとしては、国内最強の方です。
レバノンのシリア難民の皆さんのために自分の人生を使うことを決めている僕は、池上さんを心から尊敬しており、お目にかかれたことを大変光栄に思っています。

田舎者なので、本物を見て実はすごく興奮しました。







そして午後の部。

「教育」「人権」「インフラ」「医療」「紛争」のグループが2組ずつあり、何のテーマでもいけますが、僕の担当は「医療」でした。

今日は、医療を担当するにあたり、準備した資料の中にまとめていたデータや活動の振り返りをここで紹介したいと思います。


『アフリカの貧困と医療について』

アフリカの貧困と医療について考えるときに、HIVの問題を避けては通れません。




HIV感染マップ



南アフリカではHIV感染者への支援を行っている団体の活動や診療所の様子を拝見し、感染者率が25%と言われている地域にあるユースセンターで住み込みで働きました。

ジンバブエではエイズで親を亡くした子ども達と一緒に孤児院で暮らし、ケニアでは、コミュニティでの孤立や嫌がらせに立ち向かうため結成されたHIVの女性グループと一緒に活動しました。

なので、HIVについては、国や団体、地域での取り組みや現状、あるいは感染者の苦難のことなど、いろんな角度で話すことができると思っています。

HIVと貧困には強い繋がりがあります。
HIVによってもたらされる貧困と、貧困によってもたらされる貧困というものがあります。
HIVによってもたらされる貧困というのは、親がエイズで死んでしまって働き手を失うことで貧乏な暮らしをすることになってしまうことや、HIVの治療を受けるために掛かる費用が生活を圧迫することが挙げられます。また、働き盛りの年齢層の人々がエイズによって死んでしまうことは、国の経済にとっても大きなマイナスです。

貧困によってもたらされるHIVというのは、地域が貧しく、雇用機会に乏しい事情から、売春などの性産業で収入を得ようとすることで、HIVが広まっていきます。

また、収入を得るために出稼ぎ労働を行う人々もまた、不特定多数とのセックスと、地域間の移動によって、HIVの蔓延、拡散という現象を引き起こします。

さらに、貧しいことで、医療サービスを受ける余裕がないために、検査や治療を行うことができないことも、HIVが貧困によってもたらされている一面として挙げられます。

最近の日本の学校で、どの程度の性教育が行われているのかは知りませんが、恐らくは、「コンドームを使えば大丈夫」くらいのものだろうと思います。
それは間違いではありませんが、南アフリカの性教育はもっとディープです。

HIV&エイズのテキスト

HIVの蔓延が世界の中でも特に深刻な南アフリカでは、この問題への取り組みが国の運命を左右するのです。

だから南アフリカは国策として、教育分野でもHIV対策を積極的に行っていて、実際に効果を上げてきています。

エイズの感染経路は大きく分けて3パターンあり、それぞれに有効な対策があります。

1、セックスによる感染
感染経路のうち、最も多いのがセックスによる感染です。
これは、コンドームを使っての感染予防が効果的です。
しかし、それ以上のことが南アフリカの子供向けの教科書には書いてあります。
具体的に、どんなパートナーと、どんなセックスをすると感染しやすいか、ということです。
不特定多数とのセックスや、売春婦とセックスすることは、感染確率が高いことが書いてあります。HIV感染の機会の多さということです。
女性同士のセックスよりも男性同士のセックスの方が感染しやすいということが書いてあります。
傷を作ったり、出血を伴うようなアブノーマルなセックスにより、血液と精液の接触が起こることで感染確率が上がるのです。

テキストには、具体的に男性同士の肛門を使ったセックスが出血の可能性が高く、感染しやすいので、男性同士でもコンドームを使う必要があることについて書いてあります。

コンドームを使うだけでなく、出血を伴うようなアブノーマルなセックスを避けることが、具体的な対策として示されています。

子どもを持ちたい夫婦はどうすればいいのでしょうか。
これにも対策はあります。
夫が感染しているパターン、妻が感染しているパターン、両方が感染しているパターンによって、異なりますが、精液洗浄技術や、人工授精、体外受精などの人工妊娠技術があります。
これは、技術としては存在しますが、貧困層にとってはコストの問題が立ちはだかっています。

2、母子感染
妊娠中にHIV感染している母親から、お腹の中にいる子供へ感染する母子感染。
これも適切な対策を実施すれば、防ぐことができます。
完全にゼロにはできませんが、対策を施した場合は感染率30%とも言われているのに対し、これを1%以下にまで減らすことができるのです。

適切な対策について書きます。
・妊娠14週以降、抗HIV薬を服用する。
14週以前に服用を始めても効果がありません。14週以降から服用をスタートします。
これによって、体内でウイルスが成長すること、増殖することを抑えます。

・分娩時、抗HIV薬を点滴
分娩、出産時に血液接触の可能性が上がるため、分娩時の対策が必要なのです。最後まで、赤ちゃんにウイルスを移さないようにします。

・予定帝王切開
陣痛が始まってからでは、内部で出血の可能性があるので、陣痛が始まる前に、計画的に帝王切開を行うのです。

・断乳
母乳を与えると感染させてしまうので、粉ミルクで育てるようにします。

・赤ちゃんに抗HIV薬を飲ませる。
赤ちゃんに6週間ほど、抗HIV薬を飲ませます。


3、血液感染

血液の接触により感染するパターンです。
代表的な感染機会は、輸血と注射器の使いまわしです。
医療現場の管理体制や質の向上により改善していくことができます。

注射器の使いまわしは医療現場でも起こりますが、覚せい剤を注射するときに、使いまわすケースもあります。

HIV/エイズへの取り組みは、拡散や蔓延を阻止する段階と、感染率を減らしていく段階での取り組みが、地域ごとに求められます。

いずれにしても、人に移さないことで、家族や恋人、友人、地域を守ることを知ってもらわなければなりません。

HIV対策を含んだ性教育に力を入れることがまず必要です。
それから、それぞれの感染パターンと、感染段階によって対策は違ってきます。
自覚症状がないことから、検査による早期発見が大事なのです。
と、感染パターンと、感染の進行具合によって、具体的な対策は変わってきます。

検査を受けることがまず大事で、感染を拡大することを防ぎ、自分自身とパートナーや子供、そして地域を守るという意識が育っていくことが求められます。

ずらずらと書いてしまいましたが、貧困と医療というテーマは深すぎます。

他にも、医療現場の抱える問題、差別、教育分野での試み、ワクチンの開発と流通など、特筆するべき部分が多すぎて、今回だけでは書ききらないと気づきました。

エイズ以外にも、マラリアや下痢などの、現代では死ぬ必要のない病気で死んでいる人が多いこおにも目を向けなければなりません。

さらには、医療分野での「支援」というものに踏み切るとき、「死生観の相違」について触れないわけにはいけません。

というわけで、今日はここでやめておきます。続きはまた別の機会に書きます。





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